2025.10.05
SNS運用
9割が見落とす!工務店動画の音量設計術
ハウスメーカーや工務店でも、SNSで動画を使って自社の魅力を伝える企業が増えています。
TikTok、YouTube、Instagramなど、どのプラットフォームでも“音”の印象は視聴体験を大きく左右します。
映像が良くても、音量バランスが悪いだけで離脱率が上がることも少なくありません。
今回は、動画編集の中でも特に重要な「声・BGM・SE(効果音)の音量設定」と「ノイズ除去」について解説します。
目次
1.なぜ音量バランスが重要なのか
聞きやすさが、再生率を左右する。
動画を最後まで見てもらえるかどうかは、“音の聞きやすさ”が大きく影響します。
- 声が小さくて内容が入ってこない
- BGMが大きすぎて話が聞こえない
- 効果音が急に大きくて驚かせてしまう
このような音量バランスの崩れは、視聴者にストレスを与え、どんなに良い映像でも「なんか見づらい」と感じさせてしまいます。
結果として、再生完了率・エンゲージ率・チャンネル登録率など、すべての数値に悪影響が出ます。
2.声・BGM・SEの音量はどれくらいが基準?
“心地よく聞こえる音”には数値の目安がある。
動画編集では、「どの音を主役にするか」を明確にして調整するのがポイントです。
以下の数値は、一般的に自然に聞こえる“音量の目安”です。
| 要素 | 役割 | 音量の目安(dB) |
| 声 | 伝えたい内容の主軸 | -1〜-16dB |
| BGM | 雰囲気を支える音 | -20〜-35dB |
| SE | 動きやテンポをつくる | -5〜-10dB |
声を中心に設計し、BGMやSEの音量をそれに合わせて調整します。
BGMは“聞かせる”よりも“感じさせる”くらいがちょうど良く、
SEはシーンのリズムやリアクションを支える重要な要素。
数を多く使っても問題ありませんが、音量の幅が大きくなりやすいため、バランスに注意が必要です。
この工程で実際に確認している画面を、以下のスクリーンショットで紹介します

右下の縦棒グラフが「音声メーター」です。
再生中の音量がリアルタイムで表示され、緑→黄→赤と色が変わることで音の大きさを確認できます。
- 緑の範囲(-35〜-20dB):BGMに適した音量
- 黄色の範囲(-16〜-5dB):声やSEの基準ライン
- 赤に触れる(0dB付近):音割れのリスクがあるため注意
このメーターを見ながら、声・BGM・SEのそれぞれがバランス良く収まるように調整します。
耳で聞いた感覚だけでなく、波形とメーターを“目で見て”確認することで、安定した音量設計が可能になります。
3.ノイズ除去を怠るとどうなる?
わずかなノイズで生まれる“素人感”
音量調整と並んで重要なのがノイズ除去です。
住宅会社の撮影現場では、
- エアコンや換気扇の音
- 外からの車の走行音
- カメラマイクのホワイトノイズ
など、さまざまな雑音が入り込みます。
これらを除去しないと、声がこもって聞こえたり、編集後に音量を上げた際に「サーッ」というノイズが目立つようになります。
ノイズを抑えるための対策としては、以下のようなものがあげられます。
各編集ソフトのノイズ除去機能を使う
使用している編集ソフト(PREMIAPRO、DaVinci Resolve、Final Cut Proなど)には、
ノイズリダクション機能やオーディオクリーナー機能が備わっています。
軽度のノイズなら、フィルターを1つかけるだけで十分改善できます。
ピンマイクを使う
内蔵マイクよりも、話し手の口元に近いピンマイクを使用することで、環境音の影響を最小限にできます。
マイクの距離は近すぎても、音割れの原因になったりするので注意が必要です。
声を大きく録る
撮影時点で“はっきりした声”を録音するのが理想です。
声が小さいと、編集で音量を上げたときに雑音まで一緒に大きくなってしまいます。
最初から声量を確保しておくことで、後処理が格段に楽になります。
ノイズ対策は派手な作業ではありませんが、動画の“完成度”を決める裏の主役です。
ほんの少しの工夫で、視聴者が感じる信頼感は大きく変わります。
4.音量バランスが崩れると起きる3つの問題
“聞きづらい”だけで、信頼は一瞬で崩れる。
音が整っていない動画には、以下のようなリスクがあります。
▶ 早期離脱:音が不快だと3秒以内にスワイプされる
▶ 情報が伝わらない:声がBGMに埋もれてメッセージが届かない
▶ 印象が安っぽくなる:丁寧な映像でも“素人感”が出る
特に住宅やライフスタイル系の動画では、**「信頼感」や「安心感」**を損なう原因になります。
5.編集時に気をつけたいポイント
小さな気配りが、動画の完成度を変える。
TikTokでもYouTubeでも、音の仕上げ方ひとつで“プロっぽさ”が変わります。
以下のポイントを意識してみてください。
声を最優先に:ナレーションの波形を基準に全体を設計
BGMは声との距離感を意識:使用している編集ソフトのメーターで常に音量を確認
SEは多くてもOK:ただし音量差を統一し、聞き心地を一定に保つ
ノイズは先に処理:録音段階で静かな環境を確保するのが理想
複数デバイスで確認:スマホ・イヤホン・スピーカーで必ずチェック
音の聞こえ方は端末によって全く異なります。
特にTikTokではスマホスピーカーがメインなので、“低音より中高音の抜け”を意識するのがおすすめです。
まとめ:音が整えば、印象も整う
見せる動画から、“感じる動画”へ。
動画の“印象”は、音のクオリティで決まります。
ナレーションが聞きやすく、BGMやSEが自然に流れるだけで、視聴者は安心して内容に集中できます。
音量とノイズを整えることは、映像を仕上げる最後のデザイン。
「見せる」だけでなく「心地よく聞かせる」動画を目指しましょう。
成果が伸びない動画には、“音”の原因が隠れています。
バイステップでは、SNS広告・動画制作の両面から、住宅会社様の集客改善を支援しています。
音量やノイズといった細部のチューニングが、
実は「見られる・選ばれる動画」をつくる鍵になります。
まずは“音の設計”から、動画のクオリティを一緒に見直していきましょう。